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高価な美容液よりも、シンプルな保湿を②

UVカットの化粧品を使っていれば、日中の紫外線からある程度、肌を保護することは可能でも、化粧品に含まれる化学物質の刺激から肌を守ることはできません。夜になって化粧を落とすと、肌はようやく刺激から解放されることになります。肌にとっては「やれやれ」といった感じです。メイク落としや洗顔料で刺激を受けた肌の表面の角質層は、ジワリと角質細胞から水分を出して細胞の聞を水分で満たし始めます。細胞の間にあるセラミドなどの脂質は、その水分をしっかりキャッチして、正常な表皮のバリア機能を回復させようとするのです。

ところが、そんな状態の肌に、どっと夜用の美容液が流れ込んでくるわけです。その刺激を受けてバリア機能を回復させようとやっきになる角質層は、休む間もなく働き続けてぐつたり。人間の器官は、心臓も呼吸器も24時間休むことなく動いていますから、肌だって頑張ることはできます。しかし、美肌を考えるならば、寝るときには肌も休ませてあげてほしいのです。お化粧から解放されて、「ホッと一息」ついている肌に、やさしくタオルケットをかけて寝かせてあげるように、刺激の少ないシンプルな保湿の成分で肌の表面をコーティングしてあげてください。

なによりも重要なのは、美容液で、細胞を活性化する、あるいは、水分を補給するといったことよりも、保湿によって肌の表面の水分を正常な状態で保持することなのです。そのために特別な美容液は必要ありません。肌の保湿を高めるものであれば、お手持ちの化粧品で十分です。分子量の大きいコラーゲンやヒアルロン酸を配合しているものは、保湿効果も高いのですが、お手元にないからといってわざわざ新たに購入する必要はありません。単なる油分の成分を顔に塗ってもOKです。いずれにしても、保湿だけを考えて、シンプルな化粧品を選ぶことをおすすめします。夜寝るときには、肌を休ませましょう。

高価な美容液よりも、シンプルな保湿を①

「昼間の紫外線でダメージを受けた肌は、夜寝ているときに回復する」と一般的によくいわれています。人間は、睡眠リズムで寝入ってから約3時間はノンレム睡眠という深い眠りに入ります。この間、体内では日中に受けた身体のダメージを回復するために、成長ホルモンなどの分泌が行われています。成長ホルモンが分泌されると細胞は活性化され、新陳代謝も上がりやすくなるため、お肌にとっても睡眠はとても大切といえます。夜更かしをすれば、目の下にはクマができることがあるでしょう。

目の下の皮膚は、頬よりも薄く真皮の状態が表れやすいので、目の下のクマは、休むことをせずに細胞が疲れている証ともいえます。それでも、若い頃には、徹夜をしても翌日には体力が回復します。ところが、年齢を重ねるごとに、徹夜をすると翌々日以降まで疲れを引きずるというのは、全身の細胞の疲労が抜けていないためと考えられるのです。細胞の老化が加速する30歳以降は、睡眠不足は特に注意して避けなければなりません。

しかし、多忙な人は、睡眠時問を十分に取ることが難しい。細胞は守りたい。だけど、ベッドに入る時間は日によってマナマチ。どうすればいいのかと考えたときに、短時間の睡眠でも効果の得られそうな美容液があったら気になりませんか? 夜寝る前に塗るだけで、寝ている間に肌の細胞を回復してくれるなんて、とっても便利な商品です。効果が実感できればなおさらのこと、夜用の美容液に頼るようになるはずです。夜用の美容液を見ると、「レチノール誘導体」という成分がありました。

レチノールはビタミンAのことで、細胞膜を保護する役割があり、乾燥肌やシミへの効果も期待されています。ダメージを受けた表皮や真皮の細胞は、レテノールで保護されて正常な状態に導かれるというわけです。また、細胞のエネルギー活性に役立つビタミンB群を加えているものもあります。ビタミンを補給して、角質層を活性化させてシミを消す。そんなイメージです。なにしろ、朝起きて化粧してから8時間以上、顔の肌は化粧品の刺激を受け続けています。

ヒアルロン酸の本当の役割②

ヒアルロン酸は、コラーゲンよりも大きいといいました。もうおわかりでしょう。肌の表面から奥まで浸透できる大きさが、ゴルフボール大とすれば、コラーゲンは東京ドームほどの大きさ、そして、ヒアルロン酸はさらに東京ドームよりも大きいのです。肌の奥までは浸透しません。針の穴に風船を押し込んで通すほど難しい。無理矢理に肌の表面からヒアルロン酸を押し込むために、ゴシゴシこすりつけると、その摩擦で逆に肌にダメージを与えかねません。

肌の表面から肌の奥にヒアルロン酸を届けることはできないのです。塗ってダメならば、食べるという方法も考えられますね。ヒアルロン酸を配合したサプリメントなどはたくさんあります。しかし、東京ドームよりも大きなサイズのヒアルロン酸です。食べて腸の中で吸収されるには、大きすぎるために分解されてしまいます。そのままの状態で、肌まで届くことも、置き換わることもできないのです。加えて、分解されたヒアルロン酸が材料として肌に届いても、そのままではヒアルロン酸としての役目を果たすことはできません。

届いた材料を使って肌の細胞がヒアルロン酸を作り直さなければならないからです。元気な肌の細胞は、新たに届いた材料を喜んで使ってくれるかもしれませんが、老化で疲れ切った細胞は、日常の業務で手一杯です。新たな材料を貰ったからといって、ヒアルロン酸をいつも以上に大量生産する能力はない。肌の状態は変化なし。こんな状況が考えられるのです。このようにお話をすると、塗っても、食べても役に立たないようなヒアルロン酸ですが、ひとつだけスキンケアで役立つことがあります。

水分を取り込む能力があって分子量が大きいだけに、肌に塗ると保湿効果に期待できるのです。サプリメントを飲むことは疑問ですが、肌の表面に塗れば、肌を守ることにはつながります。それは、コラーゲンも同じです。肌の奥に届くようにと願うよりも、ヒアルロン酸の性質を活用して肌の表面の保湿に役立てる。そのためにヒアルロン酸配合の化粧品を選ぶといいと思います。また、治療として直接的なヒアルロン酸の肌への補充を考えるならば、医療機関に相談してみてください。

ヒアルロン酸の本当の役割①

肌の弾力やハリを保つために、スキンケアではヒアルロン酸も注目の的です。先程、コラーゲンの話をしましたが、肌のコラーゲンがたくさんある部位に、ヒアルロン酸もたくさん存在しています。そのためか、コラーゲンだけでなく、ヒアルロン酸も、肌の表面から補充できるかのごとくスキンケアの化粧品に配合されています。肌のヒアルロン酸は、専門用語でいうと、N-アセチルグルコサミンとD-グルクロン酸が結合した糖類の一種で、コラーゲンよりも大きな分子量になっています。

コラーゲンが東京ドームならば、それよりも大きな器とイメージしてください。そんなヒアルロン酸は、たくさんの水分をため込み、細胞と細胞の間でクッションのような役割も果たしています。だから、肌にヒアルロン酸がたくさんあるとみずみずしく弾力やハリも維持されるのです。肌だけでなく、目の硝子体や関節、脳などヒアルロン酸は全身にあり、特に関節では動きをスムーズにするためのクッションの役目も担っています。

1987年には、関節炎の医薬品としてヒアルロン酸が承認されました。関節炎では、ヒアルロン酸の注射による治療が行われています。皮膚科の領域でも、肌にヒアルロン酸を注射することで、ケロイドなどの治療を行っています。硬く萎縮してしまった皮膚に、ヒアルロン酸を注入して水分を保持させて、細胞が再生しやすいように促すためです。「治療でも使われているヒアルロン酸だから、やっぱり、塗れば効果があるに違いない」と思われた方もいるでしょう。しかし、注射のような効果が、化粧品で得られることはありません。

ヒアルロン酸は、肌にあるといいましたが、肌の弾力やハリの決め手となっているのはヒアルロン酸ではなくコラーゲンです。ヒアルロン酸はそれをサポートしているにすぎません。ただ、スポーツの試合で、サポーターが多ければ選手も元気が出るように、ヒアルロン酸がきちんと保持されていればコラーゲンも守られやすい。そのため、直接ヒアルロン酸の注射をし、その周りの細胞を保護して活性化させるために治療されています。しかし、化粧品では、ヒアルロン酸が肌の奥にまで届くかどうかは、はなはだ疑わしいのです。

コエンザイムQ10も肌に塗っても意味はない②

日本でも、2001年には食品成分として配合することが認められ、コエンザイムQ10ブームが起こったわけです。2004年には化粧品への使用も許可されました。サプリメントや化粧品でのうたい文句は、「若返り」です。加齢に伴い体内のコエンザイムQ10が減ると、細胞内のミトコンドリアも上手にエネルギーを作れなくなります。その結果、細胞も元気がなくなって老化が加速する。だからコエンザイムQ10を補ってエネルギー量を上げ、細胞を元気にしようというのです。コエンザイムQ10には、抗酸化作用もあるといい、一般的な「抗酸化作用」イコール「老化防止」のイメージにもピッタリ当てはめてあります。

さらに、細胞を若返らせるだけでなく、ミトコンドリアのエネルギーサイクルを上手に回すことでダイエット効果も期待できるというロジックもありました。細胞内にあるミトコンドリアは、エネルギーの源ですから、そのエネルギーサイクルを上手く回せば代謝も上がるはずです。代謝が上がれば脂肪も燃焼されやすくなり、自然に体重が落ちるというわけです。美肌に関していえば、さらに飛躍されたイメージで語られています。ミトコンドリアの働きをサポートすることで、細胞は活性化して若返る。だから、お肌のハリもよくなるというのです。まさに強引すぎる論調です。

ところが、その論調が高じて、「コエンザイムQ10」イコール「美肌」のイメージが持たれているのです。しかし、科学的に見ると、塗ったり食べたりしたコエンザイムQ10が、それを必要としているミトコンドリアまで届くとは考えられません。仮に届いたとしても、ミトコンドリアが活発な状態でなければ、材料は使われないのです。なにしろ、コエンザイムQ10を飲んだからといって、全てのミトコンドリのエネルギーサイクルを活性化させるという証拠は何もないのですから。

「コエンザイムQ10のサブリを飲んで身体が軽くなった」「元気になった」という方がいても、それが本当にコエンザイムQ10によるものかどうか、科学的に証明されているわけではないのです。近年、ミトコンドリアは注目の的です。生き物の細胞に存在し、まるでひとつの生き物のような機能を備え、生物の進化もミトコンドリアなしでは語れないというほど、とても興味深い機能を持っています。それゆえでしょうか、ミトコンドリアに関係したサプリメントなどが登場しやすい状況になっています。新しい素材が登場するたびに思うのは、素材名を変えただけでうたい文句はあまり変わらないということです。

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